2012年10月22日月曜日

「ちょっと表歩いてきなよ」
「え」

帯結んでくれた妻の一言に言葉がつまります。
わかっちゃいるんですが、アレです。やっぱ恥ずかしいんですよ。目立つもん。たぶん。

「みんなで競って目立つ」場なら気後れしないんですけど、積極的にコスプレ楽しむようなタイプじゃないんで・・・。そう、ちょっとしたコスプレっていうのが適切な表現かもしれません。

まあ、着物着るなら遠かれ近かれ外歩くってのは必然です。
だったらいつやるか?今でしょ、てわけで勇気を振り絞りました。

こういうのは最初に人目についた後は意外に慣れるものですが、僕の場合、ドア開けて数秒で同じフロアの住人に見られて洗礼終了。
はい、慣れました。割とチラ見で済んだせいかも。変にジロジロ見られたら意識してたろうなあ。

さすがに靴ばきだと台無しなので、ランニング用の5本指ソックスに、同じくランニング用に作ったワラーチという草履で見た目を修正。犬の散歩を兼ねて、初めての着物お出かけです!


エレベーターホールでも帰宅してきた同じマンションの住人に出会って軽く会釈。
「お、着物」という視線が今度はちょっと快感!

エントランスを出ると、10月の風が吹き抜けていきました。

…寒い!寒いよコレ!

そこそこ暖かい日のはずなのですが、布一枚(パンツは履いてます)ではさすがに厳しい!
あと、ズボンに比べて足が開かないので必然と小股になって歩きにくいです。

愛犬がどんどこ先に進んでいき、引っ張られてよろめきました。
オマエちょっと待て!待ってください。

いやいや、これは肌着が要るなあ。あと、歩き方も洋服と同じじゃダメそう。
大股で歩くと裾が開き、毛むくじゃらの足が丸見えになるので恥ずかしいです。
なんとなく想像はしていたのですが、ずばりそのとおり。

寒さもそうだけど、歩き方や仕草も洋服のそれとは違うってこと、読んで字のごとく肌で感じました。

すべての動作において、着物には着物なりの流儀があり、それを「所作(しょさ)」というそうです。
ただ着るだけじゃなく、それも覚えないと美しい"着こなし"には至らないんだな…。