2012年10月24日水曜日


 さて、妻から着物を受け取ったとき第一声で「これいくら?」と不躾に訊いてしまったことを補足します。

これは着物というモノが自分にとって全く縁遠く、そして高級なものだという先入観からの脊髄反射です。ですよね?

僕は着物を描くけどリアルに着物をたしなむ経済事情はハッキリ言って持ち合わせていないのです。
後でとんでもない額の請求書がデスクに置かれているのを見つけて平常でいられるほど心臓も強くありません。

しかしながら妻から返ってきたのは

「1000円」

という意外な金額。
Tシャツよりも安いの?これ?

驚く僕にドヤ顔で妻は次のような事情を教えてくれました。

ちゃんとした呉服屋で新品を誂えるならともかく、中古市場に出回っている男着物は、持ち主が他界したり着なくなったりして不要になっているうえ、若い男性が着ることもなくなっているためほとんど捨て値状態なのだとか。

この着物も正絹という、絹でできたなかなかにいいものなのですが、床に置かれた段ボールに放り込まれて売られていたそうです。むしろ帯(新品)のほうがずっと高かったとか。

ただ、そういう中古の着物を着るには、着物の丈と自分の身長が一致しなければいけません。

僕は166cmと現代の男性の中では低い部類に入りますが、それは中古で並んでいる着物を着ていた頃の日本人としては平均か少し上程度なので、在庫が比較的豊富なのだそう。
むしろ現代の平均身長170cmあたりになるとそれがぐっと減るようです。

つまり背の低く寸胴な古式ゆかしい日本人体形の男性こそ安く楽しめるのです。


そう!着物の世界にこそ、舶来文化のスーツやジーンズを着てイマイチな感じだった僕とかあなたの風が吹いているのです!

ともに、寸胴で味わった悔しさを、着物で覆しましょう!